管理状況(2024年4月更新)

マンションは管理を買えと言われるぐらい管理状況が大切です。住み始めてからの快適さはもちろん、資産価値にも大きく影響を及ぼします。管理状況が悪いとマンションの維持状況が悪化し、共用部分の汚れの放置や植栽スペースの手入れ不足が発生したり、ケースによっては建物の維持可能な年数まで縮まることも考えられます。また長期修繕計画がきちんとしていないと、必要な修繕費に対して不足額が大きく、突然の一時金の支払いを求められることも少なくありません。管理状況の一番簡単な確認方法は、実際にマンションの共用部分を観察することです。自転車置場の整頓、ゴミ置場の清掃、植栽の手入れ、共用ポスト周りの整理整頓、これらがきちんとされていないマンションは管理状況があまりよくない可能性があります。またより詳細に調べるには、管理組合の総会の議事録や決算書を見れば、おおよその状況はつかめるはずです。管理のいいマンションでは、細かなことについて話が十分に行われ、第三者からみても納得のできる決議が行われているはずです。また修繕積立金については、新築分譲時に分譲会社(デベロッパー)や管理会社主導で決められ、販売を容易にする目的で、当初の負担金額を低く抑えていることが少なくありません。その為、5年後や10年後大幅に毎月の負担額が大きくなるマンションもありますので、計画書にしっかり目を通して、早い段階で適切に修正されているかを見ることも大切なポイントです。

《2020年4月追記》
マンションの管理状態を知る手がかりとして、新たな動きがあります。不動産業界の有識者の集まり「マンション管理適正評価研究会」では、マンションの管理状態について5段階で格付けし、公表する動きがあります。参加団体は、不動産流通推進センター、不動産適正取引推進機構、マンション管理センター、全国マンション管理組合連合会、不動産協会、全国住宅産業協会、不動産流通経営協会、全国宅地建物取引業協会連合会、全日本不動産協会、日本マンション管理士会連合会の11団体。
管理組合の収支、長期修繕計画の更新状況などを点数化しランク付けする。最も良いSは「特に秀でている」、Aは「適切」で、最低のDは「管理不全の恐れ」。評価結果は管理組合の同意が得られれば、ウェブサイトなどで公表する。というものです。
現在のところ、マンションを購入する際、管理状態を知る手がかりは重要事項説明書だけ。この書面も管理状態のダイジェストに過ぎず、しかも契約の直前に知ることがほとんどです。この仕組が動き出せば、マンション選びの大切な要素となるはず。ただ公表には管理組合の同意が必要だったり、運用にはまだ課題があるとは思います。早くこれらの情報がデータベース化され、だれもが情報にアクセスできるように整備されることを願います。

《2021年9月追記》
管理会社は、マンションの管理組合から管理を委託される専門知識を有する会社です。2000年に成立したマンション管理適正化法により、マンション管理会社は、「成年者である専任の管理業務主任者を30管理組合につき、1人以上の割合で設置する義務」があります。管理会社が担う主な業務は、1)事務管理業務、2)管理員業務、3)清掃業務、4)建物・設備管理業務の4つです。ただ委託する業務内容はマンションによって異なります。マンション購入の際は、事前に管理会社に委託している業務内容について確認しておいた方がベターです。業務のすべてを委託するいわゆる「全部委託」は、約7割〜8割のマンションがこの形態と言われ、管理組合にとって負担の少ない形態です。ただ基本的に管理会社任せになる為、無駄なコストが発生したり、最善の選択を誤るリスクもあります。「一部委託」は、清掃業務などを管理会社経由ではなく、直接業者に委託する形態です。管理組合の負担は増えますが、コストが削減でき、業務内容についても細かく指示しやすくなります。「自主管理」は、基本的にすべての業務について管理組合が主導し、管理を行う形態です。負担はかなり増え、専門知識がない場合、トラブルにも繋がりやすくなります。ただコストが削減でき、やる気のある人がマンション内に居れば、人任せでは無い、細かな配慮が行き届いた管理の実現が可能です。また住人同士のコミュニケーションが増し、マンションへの愛着がより湧くこともあります。

2022年4月から始まったマンションの管理状態を評価する2つの制度

《2022年10月追記》
2022年4月から始まったマンションの管理状態を評価する2つの制度について新しく始まったのは「管理計画認定制度」と「マンション管理適正評価制度」の2つで、どちらもマンションの管理状態を評価する制度ですが、運営主体が異なっています。「管理計画認定制度」は国土交通省。「マンション管理適正評価制度」は一般社団法人マンション管理業協会です。それぞれの制度の内容について簡単にご説明します。「管理計画認定制度」は、マンション管理適正化法という法律に基づいて行われるもので、一定の管理基準を満たすマンションについて地方公共団体から認定を受けることができます。「管理適正化推進計画の作成」「地方公共団体による認定」「管理適正化のための指導」の3つが主な内容で、具体的には管理組合の運営、管理組合の経理、管理規約、長期修繕計画などの項目について、マンション管理センターの講習を受けたマンション管理士が判定を行い、認定は5年更新になっています。「マンション管理適正評価制度」は管理体制、管理組合収支、建物・設備、耐震診断などについて講習を受けた管理業務主任者・マンション管理士が判定を行い、評価は1年更新になっています。これら制度のメリットは、(1)評価基準を元にマンション管理についてやるべきことが明確になり、理事会の仕事も明確になること。(2)管理状態が改善することで、居住者が住みやすくなること。(3)管理状態を同基準で公表することで、資産価値を向上できる可能性があること。などが考えられます。なお、制度としては、とてもよくできていますが、一番の課題はどれだけ、この制度が浸透するかどうか。マンションストックの平均築年数が、古くなっていく中、マンションを長く維持できるか、またスムーズに建て替えできるかなど、マンション管理は、これからますます重要になってくる課題です。この2つの制度の普及が、それら課題解決の重要なファクターの一つのなることは間違いありません。

《2024年4月追記》
区分所有法が、20年ぶりに改正される見込みになりました。現状の課題は、急速に築年数の古いマンションのストックが増え続けている中、建て替えが進まず、スラム化するマンションが増えていることです。その原因の一つになっているが、現行の区分所有法です。例えば、建て替えの場合は、所有者の5分の4以上の決議が必要です。それに対して、改正予定の新しい区分所有法では、1.耐震性の不足、2.火災に対する安全性の不足、3.外壁などの剥落により周辺に危害を生ずるおそれ、4.給排水管などの腐食などにより著しく衛生上有害となるおそれ、5.バリアフリー基準への不適合 の5つの内、一つでも該当することが認められれば、建て替えの決議が、所有者の5分の4以上から、所有者の5分の3以上に緩和されます。またバリアフリー基準に適合させる場合などの共用部の変更決議についても同様の変更が行われます。この改正によりマンションの建て替えや改修が進むかもしれません。また国土交通省は、新築時の修繕積立金の徴収額を少なくとも「基準額の0.6倍」にする目安案を示しています。これにより、新築から経過した後、修繕積立金の値上げ決議の回数や上げ幅が縮まり、健全な管理組合運営にもつながると思われます。

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  • 駅からの距離

    マンションに関わらず、物件の判断基準としてよく上げられるものに駅までの距離があります。
    確かに駅に近いマンションは人気があり、資産価値があります。ただバス便のマンションの中にも魅力的で、資産価値を有するものがあります。また距離の他にも駅との高低差や駅までの道のりの街灯の間隔なども確認したいポイントです。

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  • 間取り

    マンションには片廊下型と階段室型といった形式があります。
    片廊下型とは、開放型の廊下がワンフロアつながっているもので最もポピュラーとされている形です、階段室型というのは、団地型のマンションによく見られる形式です。階段室型で、エレベーター付きの場合、スキップフロアのマンションや1基のエレベーターに対しワンフロアで2住戸のみが使用する形をとった贅沢の造りのマンションもあります。

  • 駐車場

    駐車場の有無や形態は物件選びの大きなポイントになります。
    駐車場には駐車スペースの数から分譲駐車場か賃貸駐車場か、屋外か屋内か、機械式(立体型、タワー型)か平⾯かなどさまざまな形態があります。