建物の構造(2023年3月更新)

マンションの建物の構造には、ラーメン構造、壁式構造、また最近ではフラットスラブなどがあります。ラーメン構造は柱と梁で建物を支え、壁式構造は、壁で支え、フラットスラブは柱と床で支えます。ラーメン構造は4階建て以上の中高層でよく用いられ、壁式は3階建てまでの低層マンションでよく用いられます。また小梁を無くすボイドスラブやハイサッシュを実現する逆梁工法などもあります。壁式のメリットは柱と梁がないこと、そして耐震性にすぐれていること。阪神淡路大震災の際も低層、壁式工法の建物の被害はほとんど見た目ではなかったように記憶しています。ただ、壁式工法の場合のネックは、壁が構造用の壁である為、取ることが出来ないことです。(壁式工法でも構造用の壁ではない壁も存在することがありますので、現地で確認が必要です。)とくにリフォーム、リノベーションを前提に購入する場合は、注意が必要です。
リフォーム・リノベーションをお探しなら株式会社ウィルをおすすめします。あと大切なのが、スラブ厚と階高です。スラブ厚はボイドスラブなどの登場で、ますます厚くなっており、防音性や最上階の場合、断熱性にすぐれています。古いマンションはスラブ厚が今に比べるとあまり無いため、想像以上に上階からの音漏れが有りますので、注意が必要です。また階高は、天井高に影響します。最近では階高があることで二重床、二重天井を実現しています。二重床にすることで、水回りの移動が容易になったり、フラットな床が実現出来ます。二重天井は、ダウンライトを仕込んだり、照明の移動を容易にしたり、上階からの音を緩和してくれます。スラブ厚の確認はちょっと難しくて、分譲時のパンフレットか、管理人室などに保存されていることが多い設計図書の入手が必要です。

 

音の問題(2019年6月14日追加加筆)

マンションのトラブルでとても多いのが、音の問題。上階の生活音が気になって、下階の人がクレームを言う。しかしいつまで経っても改善されない。そして裁判まで発展。この問題は多くのマンションで起きています。音の問題を回避するにはどうすればいいのでしょうか。最上階に住む。1階に住む。角部屋に住むのも一つの対策ですが、大切なのは「床の厚さ」と「上階の床の仕上材」の2点です。まず床の厚さですが、基本的にスラブ(鉄筋コンクリートで造られた屋根・床のことです)は厚ければ厚い方がよく、200ミリ以上のマンションを選ぶのが無難です。このスラブの厚みについては、分譲時のパンフレットを入手することで確認が出来ます。ただ、床が厚くても小梁が少ない「アンボンドスラブ工法」や「ボイドスラブ工法」では重量衝撃音が響きやすいという話もあるので、工法も注視が必要です。また仕上材についてはカーペットや遮音等級の高いフローリングが望ましいですが、自分が住む部屋で仕上材を注意すれば、下階への音は多少防ぐことができます。問題は上階が仕上げ材に何を使っているかで、なかなか確認できないのが難点。そこで大事になってくるのが管理規約です。床の仕上材について細かな規定、厳しい規定があるかどうか、またリフォーム工事の施工前の確認がしっかり行われているマンションを選ぶ必要があります。フローリングの場合はLL45以下が指定されていること。または絨毯のみという規定が望ましいです。

 

耐震性(2023.03.28追加)

築年数のところでも述べましたが、購入するマンションの耐震性を判断する時、重要なのが、旧耐震基準と新耐震基準です。1950年制定の旧耐震基準は、震度5程度の地震で、建物が大きな被害を受けないという基準で定められています。それに対して1981年制定の新耐震基準は、震度6強から7程度の地震でも建物が倒壊しないように定められた基準です。この2つの基準の違いは、阪神淡路大震災の際、被害状況の差に現れました。耐震性でマンションを選ぶなら、間違いなく新耐震基準のマンションを選ぶべきです。ただ、1981年に建築されたマンションはその数年前に、建築確認を受けており、1981年以降に建築されたマンションがすべて新耐震基準ではないということには注意が必要です。またその他に「耐震基準適合証明書」というものもあります。「耐震基準適合証明書」とは、建築士などの専門家が、耐震性について現行の基準を満たしていることを証明した書類です。この証明書を取得している中古マンションは、耐震性について、安心して購入することができます。また住宅ローン控除や不動産取得税、登録免許税の減税、地震保険の割引などを受けることができます。ただし、1981年以前に建築された中古マンションは、耐震基準が現行の基準より低いために、証明書を取得していることはあまり多くは無いと言われています。

記事ピックアップ

  • 駅からの距離

    マンションに関わらず、物件の判断基準としてよく上げられるものに駅までの距離があります。
    確かに駅に近いマンションは人気があり、資産価値があります。ただバス便のマンションの中にも魅力的で、資産価値を有するものがあります。また距離の他にも駅との高低差や駅までの道のりの街灯の間隔なども確認したいポイントです。

  • 管理状況(2022年10月更新)

    マンションは管理状況が重要です。住み始めてからの快適さはもちろんのこととして、資産価値にも大きな影響を与えます。管理状況の悪るさが原因でマンションの維持状況が悪化し、共用部分の汚れの放置や植栽スペースの手入れ不足が発生したり、ケースによっては建物の維持可能な年数まで縮まることも考えられます。

  • 間取り

    マンションには片廊下型と階段室型といった形式があります。
    片廊下型とは、開放型の廊下がワンフロアつながっているもので最もポピュラーとされている形です、階段室型というのは、団地型のマンションによく見られる形式です。階段室型で、エレベーター付きの場合、スキップフロアのマンションや1基のエレベーターに対しワンフロアで2住戸のみが使用する形をとった贅沢の造りのマンションもあります。

  • 駐車場

    駐車場の有無や形態は物件選びの大きなポイントになります。
    駐車場には駐車スペースの数から分譲駐車場か賃貸駐車場か、屋外か屋内か、機械式(立体型、タワー型)か平⾯かなどさまざまな形態があります。