環境と気象(2021年4月更新)

環境を決める用途地域

環境を決める、そして見極めるポイントの一つが、用途地域です。用途地域は、場所ごとに主に建てられる建物の用途を決めています。全部で12種類あり、主に一戸建てなどの低層の建物しか建てられない低層住居専用地域から工場しか建てられない工業専用地域などがあります。
マンションが多く立っているのが、第1種中高層住居専用地域。この地域内では中高層のマンションと一戸建てが主に立っていることが多く、工場とか大きな店舗は建てられないため、住環境としてすぐれています。
低層住居専用地域内にあるマンションも魅力です。基本的に階数が3階建てまでなので、眺望が取れたりすることは少ないですが、緑が多く、落ち着いた住環境であることが多く、高い建物がない為、通りを歩いても空が広く、明るいことも特徴。住環境にすぐれています。ただこのエリアは一戸建てが多く、マンションの棟数は少なめです。
その他重要な点としては、この12種類の用途地域は、それぞれで建物の高さなどの建築規制が違っているということです。例えば、商業地域は駅前であることが多く、限られた場所に効率よく建物を建てたいので、建物と建物の距離をピッタリ近づけることが出来ます。その為敷地の条件によっては、バルコニーの目の前に隣の建物があって日当たりがほとんど無い。ということも珍しくありません。今は日当たりが良くて、眺めまであるというマンションも用途地域や敷地条件によっては、それが完全に失われる場合もありますので、用途地域の確認や敷地条件、またバルコニーの前の土地所有者や土地の区割りなどをきちんと確認する必要があります。
また今後の環境の変化も出来れば、確かめておきたい所です。今緑の多いお気に入りの住環境だとしても、何軒かのお金持ちの大きなお屋敷で、住環境が良くなっているケースも少なくありません。ところが昨今ではそんなお屋敷がマンションに建て変わったり、細かく敷地を分割した建売り住宅に変わることがあります。その歯止めになるのが、地区計画や建築協定などの町のルールです。分割できる最低限の敷地面積が決められている場合もあり、将来に渡り住環境が守られます。その町にどんな規定があるのか、市役所などで調べましょう。最近ではインターネットでも確認出来ます。

気象や日照(2019.10.28追加)

この項目にこだわる方は少ないとは思いますが、気象や日照などもマンションの住みやすさに影響します。注目していただいたいのは、年間の降水量、年間平均気温、日照時間、また場所によっては降雪の深さ合計など。これらのデータはアメダスを元にしていますので、検討されているマンションの一番近い地点のアメダスのデータを参考にしていただければと思います。(※ただし、アメダスは各市区ごとには設置されていないため、場所によってはあまり参考にならないこともあります。)データを参考にする際、全国平均や都道府県平均データと比べることでより見やすくなります。日照時間を確認する場合は、実際に現地で地形(近くに山があるなど)を見ることでおおよそ分かりますし、地形よりも周囲の建物の影響の方が大きい場合も少なくありません。気象や日照は他の確認事項よりも優先順位は低いですが、確認しておくといい項目でしょう。

降水量:一定時間に雨量計に入った雨、雪、霰、雹などの体積の合計のこと
気温:電気式温度計により計測された気温のこと
日照時間:太陽が照らした時間を2分単位で観測した時間のこと
降雪の深さ合計:積もっている雪の地面からの高さ

これらのアメダスのデータは、気象庁のホームページで確認できます。気象庁ホームページにアクセスし、「各種データ・資料」をクリックし、「過去の気象データ・ダウンロード」をクリックすると、都道府県を選択する画面が表示されます。データを確認したい都道府県をクリックすると、アメダスのある地点を選ぶ画面が出ますので、確認したいエリアに近い場所を選択して下さい。その後、項目を選び、期間を選び、表示オプションを選択してCSVファイルをダウンロード。ダウンロードしたCSVファイルで確認することができます。

徒歩圏内にあると便利な生活施設(2020.08.27追加)

自宅マンションから歩ける場所にあると便利な生活施設は、人によって異なりますが、もっとも使用頻度が高いスーパーはまず、落とせないのではないでしょうか。マンションと最寄りのスーパーとの距離と高低差。また買い周りがしたい人はその数。10分以内に2〜3つスーパーがあるば、理想的です。次に郵便局、銀行、ATM、コンビニエンスストア、市役所または区役所や支所、レストラン、食堂、教育施設、ドラッグストア、内科、小児科等など個人病院、塾、公園などが基本的なところ。その次に来るのがスポーツ施設、図書館や書店、カフェ、喫茶店、パン屋・ベーカリーなど。人によっては、総合病院、銭湯、コインランドリー、カルチャーセンターなどしょうか。具体的に検討できるマンションが候補に上がった時は、どんな施設がどのぐらいの距離にあるか、しっかり確認することが大切です。
利便性と住環境は一般的には相反しますので、生活施設が近隣に揃うマンションは、周りが商業地であることが多く、住環境はやや落ちてしまいます。逆に住環境が優れている場合は、生活施設まで距離がある場合が多いです。ただまれに駅から2分〜3分の場所から低層住居専用地域や中高層住居専用地域に指定された住宅地が広がる場所があり、その場合、利便性と住環境が両立され、人気です。ただ住宅価格が高いことが多く、手頃な価格でその様な立地のマンションを購入したい場合は、築年数または広さを我慢する必要があります。この辺りは、優先順位が大事になります。

暮らしと価格に大きく影響する地勢(2021.04.06追加)

一般的に地勢には、平坦地、丘陵地、高台、低地があります。まず、暮らしの面でとくに理由がなければ、避けたほうがいいのが、低地。低地の多くは河川や海の近くであることが多く、大雨や大潮、津波などの際、被害を受けやすい場所。海や河川から離れている場合も、場所によりほとんど海沿いや川沿いと標高が変わらないこともあり、マンションを購入する際は、確認をおすすめします。またもっとも人気がある地勢は、平坦地。駅から多少距離があっても自転車で楽にアクセスできます。道の傾斜角度によりますが、丘陵地、高台は車を運転できる家族向きです。また地勢の価格への影響は顕著で、平坦地がもっとも高く、つぎに丘陵地、その次が高台、低地の順で価格は下がります。丘陵地、高台と言っても坂の程度により、暮らしや価格への影響は異なりますので、坂の勾配とその感じ方についてまとめましたので、よろしければ、参考にして下さい。

1kmあたりの高低差が0m~10m:0〜1%未満:ほとんど傾斜は感じない。
1kmあたりの高低差が10m~20m:1〜2%未満:やや傾斜があることは感じるが、自転車も苦なく使える。
1kmあたりの高低差が20m~30m:2〜3%未満:傾斜を感じ、自転車は使えるが、力を入れて漕ぐ必要がある。
1kmあたりの高低差が30m~50m:3〜5%未満:普通の自転車は使えない。ここからは電動自転車の域。
1kmあたりの高低差が50m~80m:5〜8%未満:徒歩でも息が切れる。
1kmあたりの高低差が80m~:車での通行時も不安を感じる。

記事ピックアップ

  • 駅からの距離

    マンションに関わらず、物件の判断基準としてよく上げられるものに駅までの距離があります。
    確かに駅に近いマンションは人気があり、資産価値があります。ただバス便のマンションの中にも魅力的で、資産価値を有するものがあります。また距離の他にも駅との高低差や駅までの道のりの街灯の間隔なども確認したいポイントです。

  • 管理状況(2024年4月更新)

    マンションは管理状況が重要です。住み始めてからの快適さはもちろんのこととして、資産価値にも大きな影響を与えます。管理状況の悪るさが原因でマンションの維持状況が悪化し、共用部分の汚れの放置や植栽スペースの手入れ不足が発生したり、ケースによっては建物の維持可能な年数まで縮まることも考えられます。

  • 間取り

    マンションには片廊下型と階段室型といった形式があります。
    片廊下型とは、開放型の廊下がワンフロアつながっているもので最もポピュラーとされている形です、階段室型というのは、団地型のマンションによく見られる形式です。階段室型で、エレベーター付きの場合、スキップフロアのマンションや1基のエレベーターに対しワンフロアで2住戸のみが使用する形をとった贅沢の造りのマンションもあります。

  • 駐車場

    駐車場の有無や形態は物件選びの大きなポイントになります。
    駐車場には駐車スペースの数から分譲駐車場か賃貸駐車場か、屋外か屋内か、機械式(立体型、タワー型)か平⾯かなどさまざまな形態があります。